一番のプライベート空間とも言える「洋服」に‘シェア’の考えを取り入れてみたらどんな世界が広がるのだろうか、そんな関心を抱き、私が始めた月額制ファッションレンタルサービスについて今回紹介したい。
洋服に関するシェアの考え方は、本サイトでも「所有」から「循環」へ ~服の物々交換パーティー、xChange~(2013/06/27)で紹介している。
その記事の中で一番衝撃的だったのは、「日本人は年間10kgの服を買い、そのうち9kgを捨てている」ということ。xChangeのNGO的な取り組みには、実際参加したことがなかったが、私が以前住んでいたコレクティブハウスのリサイクルコーナーの活用やリサイクルショップの利用など、洋服についてはこれまでさまざまな試行錯誤を重ねてきた。
しかし、新品の洋服に中古の洋服を加えたり、単発的に物々交換をしたところで、主軸は新品の洋服。そのため、物質量はどうしても増えてしまい、もう少し踏み込んだ環境に良い、洋服にまつわる仕組みをつくりだせないかと考えていた。
そんな中で出会ったのが、月額制ファッションレンタルサービス『SUSTINA(サスティナ)』だった。
<月額制ファッションレンタルサービスを利用してみて>
私は、一度に3アイテム借りられる月額¥4,800(税別)のコースを利用中。基本中古品の洋服・服飾雑貨をアプリから選択し、クローゼットボタンをポチツ。送料は無料で、クリーニングも不要。毎月のレンタル回数に制限はないので、7月から始めて、07/25、08/11、08/22、09/06とこれまで4回12アイテムを利用した。
クローゼットの容量を減らすことができ、試着感覚で選ぶことができるので、いろいろな洋服に挑戦できている。気に入った洋服は買い取ることもできるので、「いいね!」と周囲から定評のあるピンクのワンピースを購入しようかどうか迷っているところ。
また、「SIMPLE CLOSET ACTION!」という取り組みも行っていて、手持ちの着なくなった洋服を、状態に合わせてSUSTINAのレンタルサービスのループに組み込んだり、必要なところへ寄付したりすることも可能なのだ。
私には、もともと衣服代は月に¥7,000という予算枠があった。月額の料金もその範囲に収まり、ベースとなるシンプルなTシャツなどは今まで通り、持続可能な調達に力を入れる「ユニクロ」で購入しているので金銭面での負担感はあまりない。むしろ、予算内の金額で長く着られる洋服を見つけるのにかけていた時間がなくなったことで、休日の時間の使い方がだいぶ変わってきた。これから寒くなる季節に、コートなど高額な洋服もレンタルできる点も良い。
こうしたサービスは他にも寺田倉庫が出資している『airCloset (エアークローゼット)』が有名で、こちらはプロのスタイリストさんがスタイリングしてくれるといった特徴がある。
2007年頃からちまたで話題となり始めた「カーシェアリング」を好事例に、今まで市場では受入れられないと思われていた‘シェア’に関する物事が次々に市民権を得てきている。そんな変化の芽吹きを感じ、うれしい思いにふけた秋雨のとある午後であった。
下記は、「SUSTINA」でレンタルした洋服を取り入れたファッションスナップ。(ご笑覧あれ!)【了】
(文責:松山朋子)