昨年の10月8日(土)-10日(月祝)の3日間、NPOコレクティブハウジング社(東京都千代田区、以下CHC)主催で行われた「コレクティブハウジング全国大会」。
個々の自由やプライバシーを保ちながら、関わり合うことの自由や豊かさ、 安心感をどう実現するか ──「開かれたコミュニティ」をどうつくるか。
「シェアする暮らしのポータルサイト」で発信した様々な実践例と共に、このテーマを探った大会から、もう半年。
このタイミングで、改めてその次を考えるセミナー「コレクティウハウジング全国大会、その次へ」(CHC主催)が開催されましたので、その様子をレポートします!(昨年の大会当日の様子はこちらのレポートをチェックしてください)
4月22日(日)、東大駒場キャンパス内のファカルティハウスで開催された今回のセミナー。まずは、スタッフから、全国大会の10コの学び、アンケートを読み解くセッションから開始。10コの学びの一例を挙げると・・・、
●お互いが持ち寄り、支援し合うことで、学びが立ち上がる。
講演された舘岡康雄先生の説く、互いの関係性を高め合いSHIEN(支援)するあり方。生命力を引き出す関係性に多くの示唆を得ることに。
●昼と夜。静と動。でも主人公は来た人。
登壇された対照的な二人の地域の場づくりから、コミュニティづくりの方法論の多様さ・奥行きを体感することに。
・・・等。
コレクティブハウジングの実践を振り返ると共に、各方面で地道な実践を重ねてこられた方々との交流から、「開かれたコミュニティ」について、様々な切り口で学びが得られた大会だったようです。
セミナーは、その後メインの「続・ワーキンググループ」のセッションへ。
全国大会では16のワーキンググループ(以下、WG)が設定され、半日かけて熱い議論が交わされましたが、今回のセミナーはそこからさらに発展させて、こんなテーマが設けられました。
1)暮らしに多様性ってほんとに必要なの?
2)コレクティブハウスでの暮らしから、地域社会のつくり方を学べる?
3)「相互支援的」に事業をつくるには?
4)それでもコレクティブハウスが増えない10個の理由。
5)地方都市にコレクティブハウスをつくる段取りを具体的に詰めよう。
6)今すぐ使える、コレクティブ力
7)監督のいないサッカーチームは、監督のいるサッカーチームに「勝てる」か?
暮らしに留まらず、地域、組織論といったテーマまで。
刺激的な問いかけで、どれにも参加してみたいと思うくらいですが、参加者の方、それぞれに興味のあるテーマを1つ選択して議論開始!
参加者は、20代の会社員の方、子どもを抱えての研究職の方、60代の建築家の方など、年代も職業も様々。
北海道や京都など、全国各地から駆けつけられた方もいらっしゃいました。
議論は、会場の温度が2、3度上がったかなと思うくらいの白熱ぶり!
初対面の方も多い中、各グループ、熱心なやりとりが行われ、1時間半という時間があっという間に過ぎます。
最後は、WGの結果を全体でシェアするセッションへ。
どんな議論が交わされたか、みなさんお互いに興味深々です。
–「優劣や上下を超えて、違いを尊重できること、それが一つの”コレクティブ力”なのではないか」(今すぐ使える、コレクティブ力 )
–「地域のつながりってどういうこと?例えば子どもを媒体にということも多いが、自力でつながれるという観点が大事では。」(コレクティブハウスでの暮らしから、地域社会のつくり方を学べる?)
–「京都にコレクティブハウスをつくろう!住まう人をこれから100人集めます。」(地方都市にコレクティブハウスをつくる段取りを具体的に詰めよう。)
–「SHIEN(支援)の前提には、当事者性がある。それを如何につくりだすのかが肝では。」(相互支援的に事業をつくるには?)
ここの議論だけで回答の出ないテーマもたくさんありましたが、出会った方々、熱のこもった口調で、シェアセッションが終わった後も、あちこちで立ち話を続けられている姿が印象的でした。
今回のセミナーでは、新しい「関わり合いのかたち」について、この場、この参加者だからこその貴重なやりとりができたように感じました。
これからのコレクティブハウジングと、参加された方々の各方面での、開かれたコミュニティづくりの展開も楽しみにしたいと思います!